それはもしかしたらわたしのものがたり。

「1996年の夏休み」「バスルーム寓話」「夏草子」「拍手喝采ピエロ」の4作品を収録。
「1996年の夏休み」はとても愛おしい気持ちになりました。彼女たちのような経験をしているわけではないけれど、そうなんだよね、って一緒になって話をしたいな、と。
「バスルーム寓話」はそうなんだよね、という言葉が苦しさのあまりに零れてしまう物語。どうしてその場所に行き着く前に変えることができなかったのだろう。ほんとうにあの一言だけを、あの所作だけを取り消すことができたなら、全然違う場所にわたしはいたのに。思い出させる力に、逃げ出したくなるくらい。

バスルーム寓話

バスルーム寓話