とりとめもなく

沼地のある森を抜けて

沼地のある森を抜けて


読み終えました。

ぬか床がどっしりと存在するこちらの世界と、「僕たち」のシマの世界。
ふたつの世界の物語はどこかで繋がっているのだろうか。
浮かんでは消えてゆくあれこれは、言葉にできないままそこらじゅうに散らばっています。
懐かしさや心地よさとともに、感じる確かな重さ。
わたしも背負っているひとりなのだ、という気持ちになりました。

自分を遺してゆくためには、他人と交わらなければならない。
ずっとずっと昔からある流れのなかに身を投じるのには勇気がいる。
だけどそれはけして自分の終わりではなくて、はじまりなのだと信じたいのです。