ずっと、ここにある場所

真夜中に一気読みしたのですが……最後うとうとしてしまい、次の日再読という始末。
上巻でどんどん広がってゆく世界を堪能して、生じてゆく様々な変化や疑惑がどんな結末を迎えるのか、わくわくしながら読み進めていきました。
答えが与えられたものもあり、そのまま漂い余韻を残すものもあり。
個々の答えについては、「なるほどそれなら筋が通るなあ。……でもなあ」という気持ちになってしまうものが多かったような。わたしは、物語のなかで謎が提示された場合、答えがはっきりと示される物語のほうが安心して「読んでよかったなあ」と思うことが多いのですが、この作品については『論理的できっぱりはっきりした答え』が示されたから良かった!という評価にはなりませんでした。
物語の世界の閉じ方はいろいろなかたちがあると思うのですが、恩田さんの作品はその自由度がぐんと広がる設定や展開があるのに、閉じ方がもったいないなあと思うことがしばしばなのです。うーん。
読んでいる時は本当に夢中なんだけどなあ。


ネクロポリス 下

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