背伸びして見上げるきみの隣に

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

『爆笑妄想青春巨編』という帯の文字に、ちょっと警戒して読み始めたのですが……
うわー、あほだなあ。こんな人が身近にいたら困るなあ。
そんなふうに苦笑いしていたのは最初だけでした。
妄想とともに京都の街を自転車で疾走する主人公がせつなくてせつなくて。
狂騒のクリスマスを終えての帰り道、降り出した雪を見上げてかつての出来事を思い出す場面ではとうとう泣いてしまいました。
主人公はまっすぐに水尾さんが好きだったと思うのです。