先生、お元気ですか
映画についての評論では、たびたび俳諧(連句)を対比してとりあげていて、興味をひかれます。また、とりあげられる映画で面白そうなものがいくつもあるのですが、さすがに今観ることは難しいのだろうなあ……
そして終盤には、恩師の思い出として夏目漱石についての文章がありました。
高等学校で漱石から英語の授業を受けていて、落第しかけた級友への温情処置の嘆願に訪ねたことがきっかけで親交を深めていったのだそうです。
綴られる思い出の数々から、漱石を尊敬する想いがじんわり伝わってくるような気がしました。
先日読んでいた、外山滋比古の本では漱石から寅彦への手紙が紹介されていました。
所用で外出する漱石に遠慮して早々に家を辞去した寅彦に、『新調した服をみてもらいたかったのに、まったく!』と冗談まじりに綴った最後に、『よい下宿があるからたずねてみてごらん』と付け加える漱石。
ああ、こういう繋がりってほんとうにいいなあ、と思ったのでした。
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