谷川俊太郎トーク&サイン会

青山ブックセンター本店のカルチャーサロンにて。
20分程度のお話+参加者からの質問のあとサイン会という形式で行われました。谷川さんの飄々とした語り口と当意即妙な受け答えはいつ聞いても心地よいですー。
以下は覚え書きです。ああ、けっこう忘れている……
・書店が果たす「縁の下の力持ち」的な役割の重要さを初めて実感したのは、自分が書店でサイン会を行ったときだった
・6月頃に文庫化(三分冊)の予定があるが、掲載する作品は、中国から来日した研究者である田原(Tian Yuan:谷川さんは「でんげん」と発音されてました)さんが選んでくれた
・田原さんは自分の作品について研究をして博士号を取得した方で、自分のことについてわからなくなったら彼に聞けば大抵返事が返ってくる
(「ぼく、何回結婚してたっけ?」「3回ですよ、先生!」とか)
・自作の朗読
 「朝のリレー」(ネスレのCMに使われました)
 詩集「六十二のソネット」より
 「おはようの朝」(小室等さん作曲で連続ドラマの主題歌になったらしいです)

参加者からの質問と回答
(詩のタイトルは、つくり始める前とつくり終えてからと、どちらにつけることが多いですか?)
←一番多いのは「書いている途中」かも。途中で仮タイトルをつけてみて、最後まで書き終えてから改めてつけ直したり、そのままにしたり。最初から決まっているのは少ないかな。

(落ち込んだりしたとき、どうやって立ち直りますか?)
←若い頃はドライブにいったりしていたかな。あとは、少しでも「詩を書きたい」という気持ちがあるなら詩を書くこと。書くことで救われた部分もたくさんあったように思う。今は逆に全然落ち込みません。毎朝「ああ、なんて素晴らしい朝だろう」って思ってるよ。年を取ると難しいことを考えなくなっていいねえ(笑)

(今でも積極的に作品を発表されていますが、若さをいつまでも保ち続けられている理由は?)
←詩を書くということは、僕にとって癖のようなものになっていると思う。若い頃は食べるために書かなくてはいけなくて書いていたこともあったし、そもそも詩があまり好きではない、というスタンスで詩を書いていた。でもなぜか年を取っていくうちに詩を書くことが好きになってきたんだよ。「若い」かどうかは僕自身はわからないけど……生まれつき「詩を書く体質」だったんじゃないのかな。大抵そういう人って社会生活的にはものすごく不自由なんだけどね(笑)