ウルフ探偵1 おかしな事件

わたしの名まえはウルフ。ほんとうの名まえは別にあるのだが、だれもがわたしのことをウルフとよぶ。職業は私立探偵。まだ殺人事件を解決したり、犯人がしかけたトリックを見やぶったりしたことはない。だからお客もあんまりこないが、わたしはべつにあわてない。この世の中にはわたしむきの事件がかならずあるはずだからー。

夜中に路地を疾走するSL。
謎の人物によって大量にぬすまれるアイスクリーム。
謎めいた言葉を残して消えた少年。
突然現れたもうひとりの自分。
次々と誘拐されるお気に入りの人形たち。
ウルフ探偵が遭遇する、不可思議な5つの事件。真相はいずれも現実に起きるとは思えないことばかりです。それでも笑って投げ出したりできないのは、そこにひっそりと心の暗闇が描かれているから。「へやのないまど事件」や「ひとりがふたり事件」なんて、「子ども向け」なのに(だからこそ、だけど)この結末なんて! と驚いてしまいました。小学生の時に読んでいたら、大人になってからも不意に思い出してしまいそう。
なぜウルフ探偵はその名で呼ばれるのか? それは5つめの事件で明らかにされます。すでに完結しているシリーズなので、きちんと読み通したいと思います。

おかしな事件―ゆうれいSL事件 (ウルフ探偵 (1))

おかしな事件―ゆうれいSL事件 (ウルフ探偵 (1))