わわわ、待ってください

  • エニード・ブライトン「五人と一匹2 首飾りのゆくえ」実業之日本社

「いじわるな手紙」「首飾りのゆくえ」「あやしい家」の3篇。


探偵団におけるそれぞれの役割分担がはっきりしてきたような気がします。変装が得意で行動力もあるファットと、いちばん小さいけれど優しい心と素直な目をもつベッツを中心に物語がすすんでいく感じ。
手がかりをひとつひとつあつめて、推論を重ねて真相に辿り着くまでを丁寧に描いているところは変わらず、そういうところはとても好きです。ただ、数々の事件の解決に一役買ったことで、彼らがどんどん調子に乗ってきちゃっているように思えてしまって、活躍を手放しで楽しめなかったのでした。うーん。
こどもたちが探偵役を務める物語では、おとな(警察)との関係はさまざまなパターンがありますが、わたしはそれぞれの領分を守って互いを尊重している物語が好きなのです。そういう縛りを全部とっぱらった痛快な物語の気持ちよさもわかるので、それぞれの好みで楽しめると思うのですけれど。

首飾りのゆくえ (五人と一匹 (2))

首飾りのゆくえ (五人と一匹 (2))