恋をするということ

月曜日から少しずつ読んでいました。読了順に感想を。

I love you

I love you


石田衣良「魔法のボタン」
わたしはとにかく漢字とかなの使い分け方が居心地が悪くて仕方なかったので、内容についてあれこれいう手前のところで終わってしまったのですが。
あ、甘ったるい……。展開が予想できて、そのとおりの結末に。
萌枝を可愛らしいと思えるかどうかにかかっているのかなあ。わたしには無理でした。


・市川拓司「卒業写真」
主人公の思考がしんどくてさらさらと読み流してしまいました。
都合が良すぎ。
この子とは友達になりたくないなあ。


中村航「突き抜けろ」
わかりにくいものに、かたちをつくって秩序と平穏を手に入れる。
わたしはそういう秩序にひどく安堵をおぼえるたちなのですが、不意にそれを打ち壊したいと強く思うことがあります。
だからこの物語は気持ちよかったです。すこし過剰に感じたけれど。


本多孝好「Sidewalk Talk
積み重ねた日々が、記憶がぼくたちを確かに繋いでいる。
「こうなってほしい」という願いが予想通りにかなえられるのだけれども、そのことにほっとしました。


伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」
すべてが偶然。だけどそれを運命とか奇跡とか呼んでいいじゃない。
繋がった瞬間の心地よさは相変わらずです。うまいなあ。
これまでの作品を読んできた人にはにこりとするところも。


中田永一「百瀬、こっちを向いて」
ここからここまでが自分。
そういうふうに自分自身に境界線を引くのは、何よりも護りたいものがそのなかにあるから。
主人公の友人の田辺君がとても印象的でした。
うつくしいものやあたたかいものにふれていいんだ。
恋というわけのわからないものの力を、つよく感じた物語でした。