イスラエルにやってきた、エジプトの警察音楽隊
ところが、目的地に向かう途中で迷ってしまって……


迷子の警察音楽隊 公式サイト


静かというよりは、哀愁漂う、というか。
不器用だなあ、可愛らしいなあ、ああ、でも哀しいなあ。
そんな気持ちで、観ていました。

警察音楽隊は、歴史はあるけれど予算は削減され、存続も危ぶまれている。
音楽隊に誇りをもち、隊員たちに厳格にふるまう団長。
そんな団長に反抗的な態度をみせる若い団員。
長い間自作の曲を完成できない助手。

行き先を間違えて乗ってしまったバスを降りて辿り着いたのは、辺境の町。
食堂を経営する女主人。
生まれてまもないこどもを抱えて失業中の食堂の常連客。
女の子と話すことさえできない内気な若者。

たった一晩のあいだに、彼らに起こったできごとが描かれています。
ささやかな、うれしいことやあたたかいことがあります。
でもそれ以上に、どうにもならないことやくるしいこと、あきらめがそこにあります。
ただただ、それらはそこにあります。

観てよかったなあ。