愛犬行方不明事件

  • P.J.ボンゾン「クロワ・ルス少年探偵団1 愛犬行方不明事件」偕成社Kノベルス

ティドゥは15歳。お父さんの仕事の都合で、住み慣れた田舎町レイヤネットからリヨンに引っ越してきました。彼が何よりも心残りだったのが、まるで兄弟のように暮らしてきたオオカミ犬カフィを置いていかなければならなかったこと。転校することになったクロワ・ルス地区の中学校でもなかなか友達ができずに辛い日々を送っていたのですが、カフィの話をきっかけに隣の席のコルジェットと言葉を交わすようになります。同じく犬が大好きなコルジェットの仲間たちとともに、ティドゥはカフィをリヨンに連れてくることを決意するのですが……

ティドゥのアイディアでカフィをリヨンに連れてくることはできたのですが、不幸な偶然からカフィは行方不明になってしまいます。大好きなカフィともう一度一緒に暮らしたい! ティドゥの心からの願いをかなえようと奮闘するうちに、「クロワ・ルス少年探偵団」が結成されるまでの物語です。
探偵団は総勢8名(そしてカフィ)。この作品ではカフィの飼い主であるティドゥと最初に仲良くなったコルジェット、そして新たに仲間に加わることになった少女、マディが中心になっていますが、他の団員たちも個性的です。これからの作品で彼らの活躍が読めるのかな?と期待。
カフィを探すうちに彼らは思わぬ事件に巻き込まれていくのですが、彼らはそれぞれ得意なことを生かして、協力して立ち向かっていきます。原動力になっているのが、「好奇心」だけではなくて「優しさ」なのが嬉しくなってしまいました。

フランスで1961年に発表され、数十冊以上刊行されている本シリーズですが、翻訳されているのは10作品。読むのが楽しみー。(絶版なので図書館が頼りなのが悲しいですが……)