赤毛のアンの探偵たち

夏休みにプリンス・エドワード島を訪れたリズは、グリーン・ゲイブルズで行われている探偵ゲームに参加することにしました。そこで出会った日本人のマキコと仲良しになり、一緒に犯人探しに夢中になったのですが、ゲームの最中に本当の殺人事件が起こってしまいます。リズは真犯人探しに乗り出すのですが……

うーん。物語はリズが参加している探偵ゲームの一場面から始まるのですが、だいぶ状況説明を省略しているので、本当の殺人事件と混同してしまいました。書き方によってはぐいっと読み手を引き込めるのに、ちょっともったいない気がします。
殺人事件の犯人は見事に「意外な犯人」ですし、伏線もきちんと張ってあります。それでもいまいち夢中になれなかったのは、主人公であるリズにひっかかってしまったから。書き方の問題なのだけど、自分が怪しいと思った人物についてはとにかく悪いことしか言わないし考えないところに、読んでいてなんだか居心地が悪くなってしまいました。同シリーズで前に読んだ作品(こちらはトムが主人公)も同じような印象を持ったし……まっすぐで正義感が強い子ども、ということなのかしら。でもなあ。

トムとリズの事件ノート〈1〉赤毛のアンの探偵たち (Kノベルス)

トムとリズの事件ノート〈1〉赤毛のアンの探偵たち (Kノベルス)